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ヴィクーニャからさらに渓谷の奥地へ入ったところにPisco Elqui ピスコ・エルクイと呼ばれる小さいが居心地の良い村がある。

本当に小さく 中央広場をくるりと回るともうそれで終わり。店もレストランも数件、ここはそれでも充分なのだ。

ピスコというくらいだからピスコ酒用のぶどうが栽培されている。
緑の渓谷は一面葡萄畑だ。山からの川の水で潤っている。


     この小さな村で我々は 忘れられない心に残る三日間 を過ごした。




渓谷の村の夏は乾いて暑く、日中は何もする気になれず、ホステルの庭にあるプールサイドで涼むくらいだ。





    そこで早朝、明るくなり始めた頃 トレイルへと走りに出る。

初日はとりあえず渓谷の奥へ向かって走り出したが、予想外にもあちらもこちらもフェンスで囲まれ、ぶどう畑へも立ち入り禁止で、行っては戻り、鉄条網をくぐりフェンスを越えとなかなかワイルドであった。


      

      宿で知り合ったイスラエル人ランナー、長身のロンと三人で走る。


宿へ戻る途中で野良犬が走り寄って来た。南米には野良が多いのである。用心に棒切れを携え走っているのだが、こいつは悪意がなさそうだった。

       遊んで欲しそうにしているので一緒に連れて走った。




翌朝、同じ時間に宿を出る時に、昨日の野良が宿の前にいたので連れて走った。

      

元気一杯のこの野良は心底楽しそうに我々と行動を共にした。嬉しいのを押さえきれないのか時々喋りかけてきたり、ベロリンと舐めてくれたり、前になり後になり嬉々と走るその姿が愛らしくてたまらない。
賢いのだ。牛美がひとり遅れてトレイルに迷いそうになると決まって野良が様子見に戻ってきてくれる。「あ、いた。」とでも言っているようである。そして行くべき道を示してくれる。不思議な子だ。心の優しい子だ。「大丈夫だから行っていいよ」と前を指差すと一目散に奴豚達のいる方へ走り去って行く。そんなことが三日間のランニング中、何度もあった。



走り終わって宿へ戻る。またね、と別れて、夕方公園で彼と再会。
のんびり寛いでいた。ここで生まれてここで育ったのだろう。
気だての良い野良犬である。すっかり我々は彼に惹かれてしまった。
     お喜楽顔だが結構賢い。




三日目の朝、宿の前に野良の姿がないので公園まで迎えに行ってやった。

 と、どうだろう。  飛び上がって喜びを爆発させて、ご近所の犬達に向かって「これから走りに行くんだよ!!」と吹聴でもするように ちょっと自慢気にひとしきり吠える姿が可笑しくて仕方ない。
馬鹿者、と苦笑しながらも、あまりの喜びようにこちらも嬉しい。


  今朝は山登りラン。
   “◯◯”と煙は高い所が好きなのだ。

せっせと足場の悪いハゲ山を登って行き、日の出でパチリと記念撮影。



   二人と一匹のグループ写真。(右)

     まだ山の中腹、ここからさらに登る。




      

   どこまで行ってもキリがない。   延々と連なる山並み。

          素晴らしい景色を堪能する。

  
  朝食に間に合うように下山する事に。

  名残惜しい山のランニング。
  時の経つのを忘れてしまうほど楽しい。

     疲れを感じることもない。



これもひとえに馬鹿者の野良公のお陰である。
こんなに幸せな気持ちにしてくれ、我々を選んでくれてありがとう。
犬との関係は 人が犬を選ぶのではなく、実は犬に選ばれるのである。



     別れは辛かった。

今まで何匹もの犬達と関わってきたが、連れて行きたいと思ったのは今回が初めてである。
公園のバス停で、ぐっと堪えて後ろを振り向かずにバスに乗った。

        

    元気でいろよ、馬鹿者。




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